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11月12日

天皇陛下「即位の礼」‐1990年(平成2年)‐


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  1990年のこの日、天皇陛下の「即位の礼」が、皇居・宮殿での「即位礼正殿(せいでん)の儀」を中心に国の儀式として行われた。「正殿の儀」には、ボードワン・ベルギー国王、ワイツゼッカー独大統領、クエール米副大統領、チャールズ英皇太子・ダイアナ妃夫妻ら元首級約70人を含む158か国、2国際機関の祝賀使節など、内外の代表2223人が参列した。

 この日の読売新聞によると、舞台となった宮殿・松の間には、中央に高御座(たかみくら)、向かって右側に御帳台(みちょうだい)が置かれた。中庭には万歳旛(ばんざいばん)、大錦旛(だいきんばん)など、赤、白、青、黄と色とりどりののぼりが立てられ、その前には、太刀、弓、楯(たて)をはじめ威儀物(いぎもの)を持つ宮内庁や総理府の職員ら78人が、やはり黒、赤、青色などの古装束姿で並んだ。

 黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)を身につけた陛下に、皇位のシンボルの剣と璽(じ=まがたま)や、国事行為に使う御璽(天皇印)、国璽(日本国印)を持った侍従が続く。やや遅れて十二単姿の皇后さまの列。お二人はうすべりが敷かれた回廊から、赤と黄の錦織(にしきおり)の敷物を踏んで松の間に入り、後方の階段から高御座、御帳台にのぼられた。

 鉦(しょう=かね)の合図で参列者全員が起立、侍従と女官の手で高御座、御帳台のとばりが開けられた。笏(しゃく)を手にいすから立たれた陛下の左側には、剣を置いた台、右手の台には璽、その前のやや低い台に御璽、国璽。鼓(こ=たいこ)の音で参列者が敬礼。海部首相が高御座の正面に進み出て一礼すると、陛下は即位の宣言と日本国憲法の遵守(じゅんしゅ)、象徴天皇としての責務の遂行を誓うお言葉を述べられた。

 お言葉は象徴天皇として初の即位礼にふさわしく、「日本国憲法を遵守し、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たす」という憲法の条文をひいた表現で、象徴天皇の即位を内外に宣言。昭和3年11月、昭和天皇即位礼での「勅語」は、「爾(なんじ)有衆(ゆうしゅう=多くの国民)に誥(つ)ぐ」と漢文調で統治者の立場からのものだったが、今回は平易な口語体で、長さも半分になった。

 このあと午後3時半からは、両陛下が宮殿から赤坂御所までをオープンカーでパレードする「祝賀御列(おんれつ)の儀」があり、夜は海外からの参列者を招いての「饗宴(きょうえん)の儀」が宮殿・豊明殿で行われた。(稲)  =肩書は当時=

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